焼肉のカルビとロースの違いは?カルビは牛ばら、ロースは背中側の3部位で、和牛リブロースは脂質56.5gでばらより多い、表示の見方

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焼肉の定番のカルビとロースですが、何がちがうのかと聞かれると迷う人も多いでしょう。「ロースのほうがあっさり」と思われがちですが、和牛では必ずしもそうとは限りません。

部位の決まりや脂の量、お店の表示、焼き分け方まで、農林水産省や文部科学省などの資料をもとにまとめます。2026年10月時点の情報です。

目次

カルビとロースはどこの部位?

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カルビもロースも、牛の体のどこから取れる肉なのかが決まっています。まずは、小売店の表示のもとになっている部位の区分から見ていきましょう。

カルビは牛ばらの呼び名

カルビは、牛の部位の正式な名前ではありません。スーパーなどの小売店で売られる牛肉の部位表示は、農林水産省の「食肉小売品質基準」で決められています。全国食肉事業協同組合連合会が公開している食肉小売品質基準(牛肉及び豚肉)では、牛肉の部位はネック、かた、かたロース、リブロース、サーロイン、ヒレ、ばら、もも、そともも、らんぷ、すねの11区分です。この中に「カルビ」という区分はありません。

では、カルビはどこの肉なのでしょうか。同じ連合会の種類・部位などの表示には、「カルビ焼き用」は用途表示なので、部位である「ばら肉」の表示を近くの欄に書く必要があると記されています。表示例も「国産牛カルビ焼き用(ばら肉)」です。つまり、お店でカルビとして売られる肉は、基本的に牛のばら肉ということになります。

ばらは、牛や豚の肋骨のまわりの肉です。公益財団法人日本食肉消費総合センターの用語集によると、牛のばらは肩に近い「かたばら」と、その後ろでロインに接した「ともばら」に分かれます。肉質はかたいものの、どちらも脂肪を多く含み、濃厚なうま味を持つ部位です。用語集では、角切りにして煮込みやカレー、シチューに、薄切りなら鍋物や炒め物、焼き肉にも向くと紹介されています。豚のばらは赤身と脂肪が交互に層になっていて、三枚肉とも呼ばれます。

食肉小売品質基準でも、牛ばらは「かたばら及びともばら」をいう、という定めです。輸入牛肉のブリスケットやショートリブも、小売店では「ばら」として表示されるきまりです。

農林水産省の特集「牛肉」でも、韓国語で「カルビ」といえば「バラ」のことと紹介されています。あばらの周りの肉なので、ばら肉を指す呼び名として広まったのでしょう。

公益財団法人日本食肉流通センターの牛肉の部位の解説でも、ともばらは赤身と脂肪が層になり、きめは粗いが霜降りになりやすく濃厚な味わいとされ、料理の例に「カルビ焼き」が挙げられています。かたばらのほうは、煮込みや肉じゃが向きの部位という位置づけです。

焼肉店のメニューで出てくるカルビの中には、ばら以外の部位が使われることもあります。お店の表示については、あとの章でくわしく見ていきます。

ロースは背中側の3部位

ロースも、牛の部位表示では単独の名前ではありません。食肉小売品質基準の11区分のうち、名前に「ロース」がつくのはかたロースとリブロースの2つです。ここにサーロインを加えた3つが、牛の背中側にある、いわゆるロースの部位にあたります。

基準には、2種類以上の部位を混ぜたスライス肉を売るときの区分も設けられ、その「牛ロース」は、牛かたロース、牛リブロース、牛サーロイン、牛ヒレをいうと定められています。部位を混ぜて売るときは、ヒレも含めて「ロース」とまとめて表示できるということです。

それぞれの部位の特徴は、日本食肉流通センターの解説に載っています。かたロースは、やや筋が多いものの脂肪が適度にある風味のよい部位で、しゃぶしゃぶやすき焼き、焼き肉に向くとされています。リブロースは、きめが細かく、肉そのものを味わう料理に適した部位です。サーロインは、きめが細かくて柔らかく、肉質は最高とされ、ステーキやローストビーフに使われます。

焼肉店で「ロース」として出てくる肉は、かたロースであることが多いといわれます。かたロースは首に近い側から背中にかけての部位で、一頭から取れる量も比較的多いからです。リブロースやサーロインは、ステーキやすき焼き用として売られることが多い部位でしょう。

豚肉の場合は、区分が少しちがいます。豚肉小売品質基準では、豚肉の部位はネック、かた、かたロース、ロース、ばら、もも、そともも、ヒレの8区分です。牛のようにリブロースとサーロインに分けず、背中の部分をまとめて「ロース」と呼びます。豚肉小売品質基準では、かたロースやロースの表面の脂肪を8mm以内に整えることも定められています。なお、牛のヒレはロースの内側にある部位で、日本食肉流通センターの解説では脂肪分が少ない柔らかな部位という説明です。

ロースという言葉は、英語でローストに向く肉を意味するroastから来たといわれます。焼いておいしい背中側の肉を指して使われるようになりました。

肉売り場でロースのパックを手に取ったら、「かたロース」「リブロース」「サーロイン」のどれなのかを見てみましょう。同じロースでも、部位がわかると脂の量や食感の見当がつきやすくなります。

脂が多いのはどっち?

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「カルビは脂っこく、ロースはあっさり」というイメージがあります。文部科学省の日本食品標準成分表(八訂)の数値で、実際の脂の量をくらべてみましょう。

和牛はリブロースがばらより脂質が多い

肉の脂の量は、文部科学省の食品成分データベースで、誰でも見ることができます。日本食品標準成分表(八訂)に収められた数値で、どれも可食部100gあたり、脂身つきの生の肉の値です。

和牛肉の数値をくらべると、次のようになります。

部位(和牛肉・脂身つき・生) エネルギー 脂質
かたロース 380kcal 37.4g
リブロース 514kcal 56.5g
サーロイン 460kcal 47.5g
ばら 472kcal 50.0g

意外なことに、和牛ではリブロースの脂質が56.5gで、カルビにあたるばらの50.0gを上回っています。ロースとひとまとめにして、脂が少ないと考えるのは早計でしょう。エネルギーもリブロースの514kcalがいちばん高く、ばらの472kcalより42kcal多い数値です。

いっぽう、焼肉店でロースとして出されることの多いかたロースは、脂質37.4gと4つの中でいちばん少なめです。ばらとの差は 50.0g − 37.4g = 12.6g になります。

和牛は、脂肪が筋肉の間に細かく入る「霜降り」になりやすい品種です。背中側のリブロースやサーロインは、とくにさしが入りやすい部位なので、ロースだから脂が少ないとは言いきれません。サーロインも脂質47.5gと、ばらに近い数値です。

脂が多い部位ほど、100gあたりのたんぱく質は少なくなる傾向があります。和牛のリブロースは9.7g、ばらは11.0g、かたロースは13.8gです。焼肉の1人前を100gとすると、和牛リブロースとかたロースのエネルギーの差は 514kcal − 380kcal = 134kcal になります。

X(旧Twitter)でも、9月19日21時50分に「一体カルビとロース、どっちのほうが脂っこいんですかね」「店によって違いすぎて分からんくなる」という投稿があります。どの部位をロースとして出しているか、どのくらい霜降りの肉かによって、脂の多さが入れかわるのは数値からもうなずける話です。

もちろん、成分表の値は平均的なものです。同じ部位でも、牛の個体や肉の切り方、脂身をどれだけ残すかで脂の量は変わります。表の数値は、部位ごとのおおまかな傾向として見ておくのがよいでしょう。成分表の数値は生の肉のもので、焼くと脂の一部が溶け出します。実際に口に入る脂の量は、焼き方や脂身を残すかどうかでも変わってきます。

和牛の格付けとさしの関係は、A5ランクの牛肉とは?でくわしく紹介しています。

輸入牛ではばらが一番多い

和牛以外の牛肉では、結果が変わります。成分表には、乳用肥育牛肉と輸入牛肉の数値も載っています。乳用肥育牛は、乳牛として生まれたオスを肉用に育てた牛で、国産牛として売られることの多い牛です。

部位(脂身つき・生) 乳用肥育牛肉 輸入牛肉
かたロース 26.4g 17.4g
リブロース 37.1g 15.4g
サーロイン ― 23.7g
ばら 39.4g 32.9g

※数値は可食部100gあたりの脂質です。

乳用肥育牛肉では、ばらが39.4gとなり、リブロースの37.1gをわずかに上回っています。輸入牛肉になると差はさらに広がり、ばらの脂質は32.9gで、リブロースの15.4gの2倍以上です。エネルギーも、輸入牛のばらは338kcal、リブロースは212kcalと、はっきりとした差があります。乳用肥育牛肉では、かたロース295kcal、リブロース380kcal、ばら381kcalで、ばらとリブロースはほぼ同じです。輸入牛のかたロースは221kcalで、和牛のかたロースの380kcalより159kcal少なくなります。

つまり、「カルビのほうが脂っこい」というイメージは、輸入牛や国産の乳用牛ではおおむね当たっているといえます。和牛だけは背中側の部位にもさしがたっぷり入るため、ロースのほうが脂の多い場合があるわけです。

同じばらでも、牛の種類によって脂の量には大きな差があります。和牛ばらの50.0gに対して、輸入牛ばらは32.9gで、差は 50.0g − 32.9g = 17.1g です。カルビの脂が重く感じる人は、輸入牛のばらを選ぶと、和牛のばらより脂質を約3分の1減らせる計算になります。カルビを選ぶときは、部位だけでなく、和牛か国産牛か輸入牛かも見ておくと、脂の量の見当がつけやすくなります。

脂身の少ない部位を選びたいなら、ももが候補になるでしょう。日本食肉流通センターの解説では、うちももは牛肉の部位の中でもっとも脂肪が少ないとされています。成分表でも、輸入牛のもも(赤肉)は脂質4.3gです。

なお、食肉小売品質基準では、外国で育った期間のほうが長い牛を国内でと畜した肉も、輸入に係る牛肉として扱うと定められ、原産国を表示することになっています。

焼肉の内臓肉の中で脂が少なめのものを知りたい場合は、ホルモンの種類は?や、横隔膜の肉を取り上げたハラミってどこの部位?も参考にしてください。

お店の表示はどう見る?

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スーパーのパックと焼肉店のメニューでは、肉の名前の決まり方がちがいます。それぞれの表示のルールを知っておくと、何の肉を買うのかがわかりやすくなります。

スーパーは部位名の表示が必須

スーパーで売られる牛肉のパックには、決まった表示があります。全国食肉事業協同組合連合会の資料によると、食品表示基準では商品の名称を必ず書かなければならず、食肉の名称は「食肉の種類」と「部位」で構成されます。部位の表示は、「食肉の表示に関する公正競争規約」に基づくものです。種類の書き方も決まっていて、牛は「牛」「牛肉」「ビーフ」のどれで書いてもよいとされています。

商品名には、牛や豚などの種類と、かたロースやばらなどの部位名を必ず表示します。原産地(国産か外国名)と100gあたりの単価も、必ず書かなければなりません。焼き肉用やすき焼き用などの用途名は、消費者にとって必要な情報なので、できる限り表示するようにするとされています。

カルビの場合は、先に紹介したように「国産牛カルビ焼き用(ばら肉)」という表示になります。カルビという言葉だけでなく、ばら肉という部位名が近くに添えられているはずです。この表示を見れば、カルビがばら肉かどうかもその場でわかります。パックを手に取ったら、商品名の近くの部位名に目を向けてみましょう。

小さく分けた部位の名前で売る場合も同じです。資料には「国産牛ミスジ(かた)」の例が載っています。ミスジのような呼び名を商品名にするときは、かたなどの部位名を近くの欄に書く必要があります。

部位を混ぜたスライス肉は、使った重さの多い順に部位を表示するきまりです。「国産牛 かた・ばら・もも」のような表示なら、かたがいちばん多く入っていることになります。

輸入牛肉にも、国産と同じ日本語の部位名が使われるのが決まりです。チャックロールはかたロース、キューブロールやリブアイロールはリブロース、ショートリブやブリスケットはばらとして表示されます。輸入部位名だけでの表示はできません。

なお、食肉小売品質基準では、小間切やひき肉は部位表示をしなくてもよいとされています。焼肉用のこま切れのように部位名がないパックは、どの部位かを特定できないと考えておきましょう。部位名に使う文字は小売店が選べるとされているので、「ばら」を「バラ」と書いたパックもあります。取引規格で「らんいち」と呼ぶ部位は、小売の表示では「らんぷ」と書きます。

焼肉店のメニュー名と加工肉の表示

焼肉店のメニューは、スーパーのパックとは事情がちがいます。小売店の部位表示のルールは、店内で調理して出す料理のメニュー名には同じ形では及びません。そのため、上カルビや特上ロースといった名前は、お店ごとの基準で付けられています。

同じ「カルビ」でも、ともばらを出すお店もあれば、かたばらや別の部位を出すお店もあります。「上」や「特上」の付け方もお店しだいです。

Xでは、9月12日19時57分に「ロースは赤身を食べたい気持ちで食べるんだ」と投稿し、上ロースや特上ロースほど脂身が増えるのは逆だと感じている人もいました。ロースに求めるものは人によってさまざまで、お店の格付けと好みが合うとは限りません。

ただし、メニュー名なら何でもよいわけではありません。消費者庁の表示に関するQ&Aは、牛の成形肉を焼いた料理を「ビーフステーキ」や「ステーキ」と表示すると、景品表示法の優良誤認にあたり問題になるとしています。成形肉とは、牛の生肉や脂身、横隔膜などに酵素添加物や植物たん白などを加えて人工的に結着し、形を整えたものです。

牛脂などを注射のような機械で注入して霜降り状にした肉も、「霜降りビーフステーキ」などと表示すると問題になるとされています。こうした肉は、生鮮食品の肉類ではなく、加工食品の食肉製品にあたるからです。

Q&Aでは、牛脂注入加工肉を使った料理なら、「牛脂注入加工肉使用」のように、食材が加工肉であることを料理名の近くに同じ大きさの文字で書くなど、明瞭に記載すれば直ちに問題とはならないとしています。料理名から離れた場所に小さな文字で書くのは問題です。成形肉の料理を「ビーフ(やわらか加工)」と書いても、成形肉だと明瞭に書いたことにはならないという考え方も示されました。

スーパーで売られる加工肉にも、注意表示があります。全国食肉事業協同組合連合会の加熱調理などの表示によると、成型肉処理やテンダライズ処理、インジェクションを含むタンブリング処理をした肉には、処理をした旨と、中心部まで十分に加熱する必要がある旨の表示が求められます。安いカルビやロースのパックにこの表示があったら、中までしっかり焼きましょう。

家焼肉ではどう焼き分ける?

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脂の量がちがえば、おいしく焼くコツも変わります。家のホットプレートやグリルで、カルビとロースを焼き分けるときのポイントをまとめました。

カルビは脂を落としながら焼く

カルビは脂の多い肉なので、焼くと脂がたくさん出ます。ホットプレートに脂がたまると、肉が揚げ焼きのようになり、煙やはねる油も増えてしまいます。

脂を落としやすいのは、穴あきや波形の焼肉プレートです。平らなプレートを使うなら、たまった脂をキッチンペーパーでこまめに吸い取りましょう。脂を残しすぎないことで、カルビの香ばしさが引き立ちます。成分表の数値で見ると、和牛ばら100gには50.0gの脂質が含まれます。2人で300g焼けば、50.0g × 3 = 150g の脂質が肉に含まれている計算です。焼いている間にこの一部が溶け出すので、キッチンペーパーは多めに用意しておくと安心です。煙と油を減らす工夫は、家焼肉の煙と油はどう減らす?にまとめています。

焼き方のめやすは、しっかり焼き色をつけることです。ばらは日本食肉消費総合センターの解説のとおり肉質がかためなので、脂が溶けて表面がこんがりするまで焼くと食べやすくなります。片面に焼き色がついてから返すと、何度も返すより肉汁が逃げにくくなります。

和牛のカルビのようにさしの多い肉は、焼きすぎると脂が抜けて縮みやすいので、焼き色がついたら早めに皿へ移すのがよいでしょう。輸入牛や乳用牛のカルビは脂が少なめなぶん、強めの火でさっと焼き色をつけると、かたくなりにくくなります。かたばらは赤身と脂肪が層になり、きめが粗くかためとされているので、かたばらのカルビは薄めに切ったものを選ぶと食べやすいでしょう。

たれで食べるなら、焼き上がってから付けるのが基本です。たれに漬けこんだ肉は焦げやすいので、火を少し弱めにして焼き、焦げつきを防ぎましょう。

先に紹介したように、成型肉処理やインジェクション処理をした肉は、中心部まで十分に加熱する必要があります。安売りのカルビを買ったときは、パックの注意表示を見てから焼き方を決めてください。

生肉をさわったトングや箸を、そのまま食べる箸として使わないことも大切です。焼くときの衛生面の注意は、家焼肉の食中毒を防ぐには?にまとめています。

カルビは脂のうま味が持ち味の肉です。ご飯やサンチュと合わせると、脂の重さがやわらいで食べやすくなります。

ロースは薄切りをさっと焼く

焼肉用のロースは、カルビより薄めに切られていることが多い肉です。かたロースは適度な脂と風味が持ち味なので、強めの火でさっと焼き、焼きすぎないのがおいしく食べるコツです。かたロースは、日本食肉流通センターの解説でやや筋が多い部位とされています。厚めに切ったかたロースは、焼く前に筋のところに包丁で切りこみを入れておくと、焼いたときに反り返りにくくなります。

薄切りのロースは、片面に焼き色がついたら裏返し、裏面は軽く焼く程度で十分でしょう。焼き色のついた面を外側にして折りたたむと、たれやわさびをのせやすくなります。両面をしっかり焼くと、身がしまってかたくなりやすくなります。ただし、加工処理の表示がある肉は、中心部まで火を通すことを優先してください。スーパーで筋切りをした肉には、「筋切り処理をしていますので、中心部まで十分に加熱してお召し上がりください」といった表示が付くことがあります。

和牛のリブロースやサーロインのように霜降りの多い肉は、脂が溶けやすいので、焼きすぎると縮んでしまいます。さしの多いロースは、カルビより短い時間で焼き上げるつもりで火にかけるとよいでしょう。和牛かたロースの脂質は37.4gで和牛ばらより少なめですが、霜降りの和牛なら脂は十分にあるので、ペーパーで脂を拭きながら焼くと煙を抑えられます。

いっぽう、輸入牛のロースは脂が少なめなので、焼きすぎるとパサつきやすいのが難点です。輸入牛のリブロースは、成分表で脂質15.4gです。焼く前に常温に少し置いておくと、外側だけ焼けて中が冷たいままになるのを防ぎやすくなります。夏場は、置きっぱなしにしないよう時間に気をつけましょう。

ロースは、塩とこしょうだけでも肉そのものの味を楽しめます。日本食肉流通センターの解説では、リブロースは肉そのものを味わう料理に適しているとされています。わさびやレモンを添えると、脂のある和牛のロースもさっぱり食べられるでしょう。

焼く順番としては、脂の少ないロースや塩味の肉から先に焼き、脂の多いカルビやたれの肉をあとにすると、プレートが汚れにくくなります。柔らかい部位を食べる順番は、焼肉の柔らかい部位と食べる順番でも紹介しています。

カルビとロースはどう選ぶ?

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ここまでの部位と脂の量をふまえて、家焼肉で選ぶときの考え方を整理します。似た名前の部位がどの区分に入るのかもあわせて見ておきましょう。

料理や体調に合わせた選び方

カルビとロースのどちらを選ぶかは、食べたい味と、そのときの体調で決めるのがいちばんです。

脂のうま味をしっかり味わいたいなら、カルビが向いています。ともばらは霜降りになりやすく濃厚な味わいとされ、ご飯がすすむ肉です。たれとの相性もよく、焼肉らしい満足感があります。

肉の味そのものを楽しみたいなら、ロースがよいでしょう。かたロースは適度な脂と風味があり、塩やわさびでも食べやすい部位です。脂の量を抑えたいときは、和牛よりも乳用牛や輸入牛のかたロースを選ぶと、成分表の上でも脂質が少なくなります。

脂の量を気にするなら、部位と牛の種類の組み合わせで考えると失敗しにくくなります。成分表の数値で見ると、輸入牛のリブロースは15.4g、乳用肥育牛のかたロースは26.4g、和牛のばらは50.0gと、3倍以上の差がありました。「ロースだからヘルシー」と決めつけず、和牛か輸入牛かも見て選びましょう。1人前を100gとすると、輸入牛リブロースは212kcal、和牛ばらは472kcalで、472kcal − 212kcal = 260kcal の差です。

年齢とともに脂の多い肉が重く感じる人もいます。Xでは、11月15日6時14分に、豚丼のロースとカルビの合盛りを食べて「カルビの脂がきつい年齢になってきましたのでロースの赤身が美味しいです」という投稿もありました。

家族で焼肉をするなら、カルビとロースを半分ずつ用意するのも手です。脂の多い肉と少ない肉を交互に食べると、最後まで飽きずに楽しめます。量のめやすを決めるときは、脂の多いカルビを少なめにして、ロースや野菜を多めにするとバランスがとりやすくなるでしょう。脂身の多い部分は、焼く前にキッチンばさみで切り落とすのも一案です。子どもや年配の家族がいる場合は、脂の少ないロースやももを中心にして、カルビは少しだけ用意する方法もあります。

値段の面では、和牛か輸入牛か、どの部位かで大きく変わります。100gあたりの単価はパックに必ず表示されているので、同じカルビやロースでも、牛の種類とあわせて単価を見くらべてみてください。迷ったときは、部位名と牛の種類、100gあたりの単価の3つをパックで見くらべるのが近道です。

ミスジやとんとろは何の部位?

焼肉店やスーパーでは、カルビやロース以外にもいろいろな呼び名を見かけます。こうした名前の多くは、正式な部位をさらに細かく分けた部分や、昔から使われてきた呼び方です。

全国食肉事業協同組合連合会の資料には、いくつかの表示例が載っています。ミスジは、かたの部位を小さく分けた部分の呼び名で、売るときは「国産牛ミスジ(かた)」のように部位名を添えます。カルビやロースの仲間ではなく、かたの仲間ということです。

豚肉の「とんとろ」は、豚のネックの部分です。「とんとろ焼き肉用(国産豚肉ネック)」のように表示されます。とろという名前から脂の多い高級部位を想像しがちですが、部位としてはネックの肉です。豚肉小売品質基準では、豚のネックは、うでのうち頬の部分(ジョール)をいうと定められています。牛のネックは、脂肪が少なく赤身の多いかための肉で、ひき肉やこま切れ、煮込みに使われることが多い部位です。

「スペアリブ」は、骨付きの豚ばら肉です。骨付きのまま売るときは「国産豚スペアリブ(骨付きばら)」と表示されます。カルビと同じく、ばらの仲間の肉です。

部分肉の分け方や名前は、日本食肉格付協会の取引規格で定められています。ただし、細かく分けた部分には業者ごとにさまざまな規格があり、小売店では仕入れ先の部分肉の表示に合わせて表示するとされています。同じ呼び名でも、お店によって指す範囲が少しずつちがうことがあるわけです。たとえば、かたロースはネックとの分け方によって、ネックつきのまま「かたロース」と表示されることもあります。

知らない名前の肉を見かけたら、パックの近くに書かれた部位名を手がかりにしましょう。かたロースの仲間なら適度な脂、ばらの仲間なら脂が多め、ももやかたの仲間なら赤身が多め、とおおまかな見当がつきます。馬肉のばらは「ふたえご」とも呼ばれ、馬肉や羊肉は従来の商慣習や地域の呼び名でも表示できる決まりです。羊肉は、生後1年未満を「ラム」、1年以上を「マトン」と表示します。

タンやハラミのような内臓肉は、ここで紹介した正肉の区分とは別に扱われます。気になる人は、内臓肉の呼び名をまとめた記事もあわせて読んでみてください。

まとめ

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押さえておきたい5つのポイントです。

  1. カルビは正式な部位名ではなく、基本的に牛のばら肉を指します。
  2. ロースは、牛ではかたロース、リブロース、サーロインの3部位です。
  3. 和牛はリブロースの脂質がばらより多く、輸入牛はばらがリブロースの2倍以上です。
  4. スーパーのパックは種類と部位名、原産地、単価が必須です。加工肉には十分な加熱を求める表示があります。
  5. カルビは脂を落としながら、ロースはさっと焼きます。部位と牛の種類で選びましょう。
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この記事を書いた人

焼肉の部位や焼き方、注文のコツを調べ、食事を楽しむための情報を届ける編集部です。

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